TARO NASU OSAKA TARO NASU OSAKA
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つねづね、美術館の仮設可動壁が気になっていました。仮設の壁にしか見えず、その空間のキャラクターをつくれないマイナーな要素に作品が展示されている、というのは空間と作品との関係に決していいものではないと。また、可動壁の上下の隙間もすごく気になり、あれをなんとかなくす方法はないかと思っていたんです。TARO NASUでは、空間自体が可変性をもたせるために、可動壁でなくて可動部屋をつくりました。空間が個性をもつことと、展覧会ごとに様相ががらっと変わる、ということはすごく矛盾していることで、ほとんど不可能な要望でもありました。そこで、可変の箱を置くことを思いついた。その部屋が動くこさらとで、空間全体のキャラクターをつくる。しかも、更の状態ではとても弱い空間で、「もともとの空間」というものがない。見えているものが建築としての完成形ではないわけです。展示が行われてはじめてひとつの空間がある。これはタイムレスの空間です。完成したというものがなくて、作家がそこに何かを加えていくことの連続で空間ができていく。小さんの展示はまさにそれを感じさせてくれました。彼が不毛セメント板パネルの「箱」を黒く塗ると、表面がでこぼこしているから、奥までペンキが入らず、かといって、パネルももう二度と白くならないわけです。たとえパネルを取り替えたとしても、そこだけが少し色が合わないことになります。だんだんとパッチワークみたいになっていくでしょう。だから、これから作品をつくる作家は必ず前の人の痕跡と闘わないといけないのですね。 オルタナティヴとしてのホワイトキューブ TARO NASUというのは、空間についての一連の問題一作品と空間がどうすればいいかというものの終局点みたいな感じがしています。ある意味ではホワイトキューブに戻ってきたといってもいい。とはいえ、ホワイトキューブといっても、部屋全体がひとつの面でできるのではなく、木毛セメント板のパネルで覆われています。反ホワイトキューブではなく、ホワイトキューブのオルタナティヴといったらよいのかもしれない。最初は、ホワイトキューブに対して、批判的でもあった。つまりホワイトキューブならば何でも作品に見えてしまう、ある意味フレームのような、額縁の機能を空間自体がもっている、それがホワイトキューブであるのだろうと。そうなると、どの空間も同じくフレームにならざるをえないのが、美術館なり美術のための空間の宿命です。 ではサイトスペシフィックならば、あらかじめ作品を想定しないで構想するものの、やはり作品をまったく想定しないということはありえないから、結局想定しているわけです。だからじつは強度をもった空間には、その矛 盾は感じられない。強度が弱いものの場合(TARONASU)、それを考える筋道がまさに出発点に戻った。青森の場合でもTARO NASUの場合でも、構想する時点でできあがる空間のイメージ、その空間にいる気分がだいたい感じられています。その気分が本当に得られるのかどうかをチェックしながら設計しているのですが、そのものを論理的につくっているわけでもない。何回も何回も考えて、でき上がったものを整理していくと、結果的にこの空間に何をしたかっていうのがようやくみえてくるんです。 じつはTARO NASUは、でき上がってみたらこれはホワイトキューブなんだという感じがしたんです。でもそれはしょうがない、ホワイトキューブというのは、じつはある意味サイトスペシフィックな空間が最初から入っているからー。
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TARO NASU OSAKA は、マンションの1階をギャラリーに改装したものである。お膳立てされたホワイトキューブではなく、固有の空間の質をもちながらも展覧会ごとに空間がまったく変わったように感じられること、また、ワインを飲むための閉鎖的な小さなバースペースをつくることが求められた。 壁、天井は45cm角の木毛セメント板パーツで覆われ、そこにパーツとして可動式ワインバーが置かれる。木毛セメント板の四隅はビスで簡易に留め、パーツ間の隙は1mmとられている。このことは、一体的な壁として見えることを目標とするホワイトキューブにおける視覚的夾雑物-スイッチ、コンセント、吹出口、照明など-の問題に直結することができる。すべてが可動であるため、スイッチやコンセントは木毛セメント板の裏に隠すことができる。空調の吹出口と照明はいまのところ45cm角のパーツではないが、今後スタディを行い、それぞれ45cm角パーツに置き換えられる予定である。こうした可動パーツで空間を満たすというルールからなる『TARO NASU OSAKA』は、ホワイトキューブとはまるで異なるタイプのギャラリーである。 『taro nasu bambi』では、45cm角のパーツを二つに割った22.5cm角のキューブがところどころ仔鹿の角のように枝分かれしながら増殖していくパーツに置きかえられている。キューブのパーツは倍率50倍の成型発泡スチロールでつくられたものに、青森県立美術館で使用した雪の結晶のような模様のカーテン生地を被せさられている。キューブひとつひとつには光源が仕込まれ、計67個のキューブから放たれる柔らかい光で空間は満たされる。
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TARO NASU OSAKA is renovated gallery on the ground floor of an apartment. We avoid a simple white cube that set the stage for artists but aimed to create space with character which offer different atmosphere each time at each different exhibition. Another client’s request was a closed small wine bar. The ceiling and wall is finished with cemented excelsior board (45cm×45cm t=15mm). The wine bar is designed as a movable box and regarded as one part in this space. Cemented excelsior boards are connected with screws at each angle and the distance between each board is 1mm. At existing white cube, switches, sockets, lighting and air conditioning jets are impurities, as white cube is supposed to offer just a simple surface. In this gallery each board is movable and that allow hiding those impurities behind the board. At present, air conditioning jets and lights are not 45cm×45cm squared parts but we continue study of replacing them with square parts. The rule of this gallery is filling the space with movable parts. In this respect this gallery differs from existing white cube.
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| No. | 063 063 |
| Title | TARO NASU OSAKA TARO NASU OSAKA |
| Type | Museum 博物館・美術館施設 |
| Principal use | Gallery (interior) Gallery (interior) |
| Structural Design | Kanebako Structural Engineers Kanebako Structural Engineers |
| Construction | 住之江工芸 住之江工芸 |
| Architectural Design | AOKI Jun, MURAYAMA Toru 青木淳, 村山徹 |
| Design | 2006.02 - 2006.04 2006.02 - 2006.04 |
| Construction | 2006.05 - 2006.06 2006.05 - 2006.06 |
| Location | Osaka city, Osaka 大阪府大阪市 |
| Floor Area | 36m² 36.7m² |
| URL | https://data.shinkenchiku.online/projects/articles/SK_2007_03_086-0 https://data.shinkenchiku.online/projects/articles/SK_2007_03_086-0 |
つねづね、美術館の仮設可動壁が気になっていました。仮設の壁にしか見えず、その空間のキャラクターをつくれないマイナーな要素に作品が展示されている、というのは空間と作品との関係に決していいものではないと。また、可動壁の上下の隙間もすごく気になり、あれをなんとかなくす方法はないかと思っていたんです。TARO NASUでは、空間自体が可変性をもたせるために、可動壁でなくて可動部屋をつくりました。空間が個性をもつことと、展覧会ごとに様相ががらっと変わる、ということはすごく矛盾していることで、ほとんど不可能な要望でもありました。そこで、可変の箱を置くことを思いついた。その部屋が動くこさらとで、空間全体のキャラクターをつくる。しかも、更の状態ではとても弱い空間で、「もともとの空間」というものがない。見えているものが建築としての完成形ではないわけです。展示が行われてはじめてひとつの空間がある。これはタイムレスの空間です。完成したというものがなくて、作家がそこに何かを加えていくことの連続で空間ができていく。小さんの展示はまさにそれを感じさせてくれました。彼が不毛セメント板パネルの「箱」を黒く塗ると、表面がでこぼこしているから、奥までペンキが入らず、かといって、パネルももう二度と白くならないわけです。たとえパネルを取り替えたとしても、そこだけが少し色が合わないことになります。だんだんとパッチワークみたいになっていくでしょう。だから、これから作品をつくる作家は必ず前の人の痕跡と闘わないといけないのですね。 オルタナティヴとしてのホワイトキューブ TARO NASUというのは、空間についての一連の問題一作品と空間がどうすればいいかというものの終局点みたいな感じがしています。ある意味ではホワイトキューブに戻ってきたといってもいい。とはいえ、ホワイトキューブといっても、部屋全体がひとつの面でできるのではなく、木毛セメント板のパネルで覆われています。反ホワイトキューブではなく、ホワイトキューブのオルタナティヴといったらよいのかもしれない。最初は、ホワイトキューブに対して、批判的でもあった。つまりホワイトキューブならば何でも作品に見えてしまう、ある意味フレームのような、額縁の機能を空間自体がもっている、それがホワイトキューブであるのだろうと。そうなると、どの空間も同じくフレームにならざるをえないのが、美術館なり美術のための空間の宿命です。 ではサイトスペシフィックならば、あらかじめ作品を想定しないで構想するものの、やはり作品をまったく想定しないということはありえないから、結局想定しているわけです。だからじつは強度をもった空間には、その矛 盾は感じられない。強度が弱いものの場合(TARONASU)、それを考える筋道がまさに出発点に戻った。青森の場合でもTARO NASUの場合でも、構想する時点でできあがる空間のイメージ、その空間にいる気分がだいたい感じられています。その気分が本当に得られるのかどうかをチェックしながら設計しているのですが、そのものを論理的につくっているわけでもない。何回も何回も考えて、でき上がったものを整理していくと、結果的にこの空間に何をしたかっていうのがようやくみえてくるんです。 じつはTARO NASUは、でき上がってみたらこれはホワイトキューブなんだという感じがしたんです。でもそれはしょうがない、ホワイトキューブというのは、じつはある意味サイトスペシフィックな空間が最初から入っているからー。
TARO NASU OSAKA は、マンションの1階をギャラリーに改装したものである。お膳立てされたホワイトキューブではなく、固有の空間の質をもちながらも展覧会ごとに空間がまったく変わったように感じられること、また、ワインを飲むための閉鎖的な小さなバースペースをつくることが求められた。 壁、天井は45cm角の木毛セメント板パーツで覆われ、そこにパーツとして可動式ワインバーが置かれる。木毛セメント板の四隅はビスで簡易に留め、パーツ間の隙は1mmとられている。このことは、一体的な壁として見えることを目標とするホワイトキューブにおける視覚的夾雑物-スイッチ、コンセント、吹出口、照明など-の問題に直結することができる。すべてが可動であるため、スイッチやコンセントは木毛セメント板の裏に隠すことができる。空調の吹出口と照明はいまのところ45cm角のパーツではないが、今後スタディを行い、それぞれ45cm角パーツに置き換えられる予定である。こうした可動パーツで空間を満たすというルールからなる『TARO NASU OSAKA』は、ホワイトキューブとはまるで異なるタイプのギャラリーである。 『taro nasu bambi』では、45cm角のパーツを二つに割った22.5cm角のキューブがところどころ仔鹿の角のように枝分かれしながら増殖していくパーツに置きかえられている。キューブのパーツは倍率50倍の成型発泡スチロールでつくられたものに、青森県立美術館で使用した雪の結晶のような模様のカーテン生地を被せさられている。キューブひとつひとつには光源が仕込まれ、計67個のキューブから放たれる柔らかい光で空間は満たされる。
TARO NASU OSAKA is renovated gallery on the ground floor of an apartment. We avoid a simple white cube that set the stage for artists but aimed to create space with character which offer different atmosphere each time at each different exhibition. Another client’s request was a closed small wine bar. The ceiling and wall is finished with cemented excelsior board (45cm×45cm t=15mm). The wine bar is designed as a movable box and regarded as one part in this space. Cemented excelsior boards are connected with screws at each angle and the distance between each board is 1mm. At existing white cube, switches, sockets, lighting and air conditioning jets are impurities, as white cube is supposed to offer just a simple surface. In this gallery each board is movable and that allow hiding those impurities behind the board. At present, air conditioning jets and lights are not 45cm×45cm squared parts but we continue study of replacing them with square parts. The rule of this gallery is filling the space with movable parts. In this respect this gallery differs from existing white cube.
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TARO NASU OSAKA
- 203 MA
- 199 TIFFANY GINZA
- 197 NOE AOKI RITSUE MISHIMA / WONDERMENT
- 196 RABBIT HOLE
- 195 FRANK LLOYD WRIGHT AND THE WORLD
- 194 KICKING THE WATER
- 193 MATSUMOTO DAIRA ATHLETIC STADIUM
- 192 MAEBASHI CREATIVE CITY
- 191 MOMOTARO JEANS KYOTO
- 190 MIHARA PORT
- 189 MUSASHINO CIVIC HALL
- 185 FUKUOKA PREFECTURAL MUSEUM OF ART
- 184 SENKOJI PEAK OBSERVATORY
- 182 CAFE IN MATSUMOTO
- 181 LOUIS VUITTON GINZA NAMIKI (2021)
- 180 RUNNING STATION
- 179 EAST OFFICE
- 174 F
- 173 AOMORI MUSEUM MACHINARY BUILDING
- 172 X
- 169 Kyoto City KYOCERA Museum of Art
- 165 W’
- 164 LOUIS VUITTON MIDOSUJI (2019)
- 162 LORO PIANA GINZA
- 161 LANGUAGE OF ART
- 154 JUT COMPLEX
- 148 RAIN DROP SEWER
- 146 TOKAMACHI BUNJIRO & JUJIRO
- 145 SHUGO ARTS
- 139 MUSEUM OF MODERN ART, SHIGA
- 130 MIYOSHI CIVIC HALL KIRIRI
- 128 SAPPORO INTERNATIONAL ART FESTIVAL 2014
- 127 OMIYAMAE GYMNASIUM
- 123 LOUIS VUITTON MATSUYA (2013)
- 121 THE RED AND BLUE LINE
- 120 L’AVENUE SHANGHAI
- 116 N PHOTO STUDIO
- 113 m
- 109 LOUIS VUITTON FUKUOKA TENJIN
- 103 COBWEB AND SPIDER
- 102 V&A Exhibition Road
- 099 MAISON AOAO
- 098 HUT
- 092 MACARON
- 091 BERGAMO GOVERNMENT OFFICE
- 086c PETER MARKLI AND JUN AOKI
- 083 IRABU RESORT HOTEL
- 082 GO-SEES-HIROO
- 081 TARO NASU
- 080 SIA AOYAMA BUILDING
- 074 N
- 071 J
- 069 LOUIS VUITTON MIDOSUJI (2007)
- 068 A
- 067 SONORIUM
- 066 TARO NASU BAMBI
- 063 TARO NASU OSAKA
- 062 WHITE CHAPEL
- 061 TOPOGRAPHIE DES TERRORS
- 059 LOUIS VUITTON HONG KONG LANDMARK
- 058 JIN CO. LTD
- 057 XEL-HA
- 056 GIANT’S CAUSEWAY VISITOR’S CENTER
- 055 AOMORI MUSEUM OF ART
- 053 INKO
- 052 CULTURE YARD IN HELSINGER
- 051 ROPPONGI STATION
- 050 NICORAS G. HYAEK CENTER
- 047 LOUIS VUITTON GINZA NAMIKI (2004)
- 046 G
- 045 DAIWA PHARMACY
- 044 Beyond Fibers
- 043 NMNL
- 042 LOUIS VUITTON NEW YORK
- 041 BUREAU SHINAGAWA
- 040 GAS MUSEUM
- 039 MITSUBISHI MOTORS TOKYO MOTOR SHOW 2003
- 038 LOUIS VUITTON ROPPONGI
- 037 BF Building
- 036 R
- 035 U bis
- 034 FARM
- 033 LOUIS VUITTON OMOTESANDO
- 032 MITSUBISHI MOTOR SHOWROOM
- 031 Y
- 030 K
- 029 i
- 028 LOUIS VUITTON MATSUYA GINZA(2000)
- 027 c
- 026 L
- 025 LOUIS VUITTON NAGOYA
- 024 B
- 023 SNOW FOUNDATION
- 022 MITSUE PRIMARY SCHOOL
- 021 GRANARY RENOVATION PROJECT
- 020 Z
- 019 LAGOON MUSEUM
- 018 U
- 017 YUSUIKAN
- 016 O
- 015 HIRATA TOWN CENTER
- 014 CHAIR PROJECT
- 013 S
- 012 KUMAGAYA DAMSIDE PARK
- 011 CONTAINER PROJECT
- 010 MAMIHARA BRIDGE
- 009a SENDAI MEDIA THEQUE
- 009 UNDERGROUND CROSSING BODY
- 008 H
- 007 T
- 006 C ART CENTER
- 005 VERTICAL CIRCULATION BODY
- 004b SUBURBAN STATION
- 004a NIIGATA PERFORMING ART CENTER
- 003 DORMITORY FOR YAKULT
- 002 STATIONS
- 001 BEHEMOTH


